(劇)変ハ長調代表・磯谷きみお INTERVIEW

今回ScrambleeGG entertainmentは、5月26日と6月3日に公演を控えている(劇)変ハ長調(以下、へんはちょと略)の磯谷さんにインタビューさせて頂くことを御了承いただいた。既に彼らは一度旗揚げ公演を終えており、今回の公演は二度目になる。





――この度はインタビューを受けていただき、ありがとうございます。

磯谷:こちらこそ、ありがとうございます。

――早速ですが、(劇)変ハ長調と名付けられた理由や目的を教えていただいても宜しいでしょうか?

磯谷:はい、(劇)変ハ長調という名前は、パッと見のニュアンスから音楽の要素が強いと思うんですね。一方、劇というニュアンスも付いてます。これは、表現の分野において一般的である音楽を取り入れながら広くお客様の心に届けばいいなぁという想いと、芝居に限らずという想いを込めています。
また、皆の協調性や音楽の調和を願いつつ個性的である「変」。そして皆との出会いがちょうど8人であったことから、「ハ長調」という名前に行き着きました。
方針としまして「法医教行」というキーワードを掲げています。「法律」「医療」「教育」「行政」の4つをへんはちょで繋いでいきたい、という思いがダイアモンド(◇)になりまして、こちらをへんはちょのロゴマークにしています。造語なんですが、「法医教行」の中心にあるへんはちょが、まず届きやすい音楽で繋げていきたいという点に加えまして、演劇が好きで集まったメンバーなので「劇」という文字も取り入れています。

――結成の経緯はどのようにして?

磯谷:元々ある演劇のワークショップといいますか、教室で知り合ったのがきっかけですね。ワークショップという場に集まる性質上か、皆さん仕事をもっていまして、演劇を本業にできない、したくてもできない、そういった状況の中でも野心に溢れており、尚且つそれぞれが本業をもっていまして専門分野をしっかりと確立し、自分の意見をもった素敵な方々でした。非常に私の目指す趣旨や思うところとも合っていて、いい呑み仲間からいい話相手、そして仲間となり、現在の形に至りました。
結成自体は2年前程前になるんですかね。2010年の冬に結成して、これまでに一回の公演(第1回カフェ公演「その腕の中。」 美術/Mine(峰製作所))と展示作品の公開(へんはちょデザインフェスタ「カワイイ展」)を行なっています。演劇にこだわらず色々な作品や表現の体現を目指していけたらという趣旨の団体です。
――今回公演されます「光合成プラネタリウム」の内容と見所を教えていただけますか?

磯谷:物語の内容としては、癌を発症してしまった女の子と、その友人を中心としたものになります。通常であれば悲観的な話が多いと思うのですが、この話は違いまして、その運命を受け入れて死んでいくまでに女の子はどのように生きていくのか、そして周りにいる人たちがどのように過ごすのかというお話になっています。
劇中の見所としては、まず、この2つに注目してほしいと思います。1つがメンバーの皆が仕事をもっているところですね。どう見所になるかといいますと、仕事をもっているということはその仕事の分野の演技であったらどんな演技にも負けませんよね。リアルにできて、お客様の気持ちも尚且つ分かる。つまり、社会で活躍する第一線の演技のいいところを味わえるということです。
そして2つ目の見所は、アルトサックスとピアノの生演奏ですね。私の小・中・高の友人だった小林里枝さんがアルトサックスを、小林ゆりさんにはピアノをお願いしております。二人はジャズをされていたことから楽譜もなしに自由に弾ける方々で、いつか一緒にやりたいと思っていましたのでとても嬉しく思います。

そして、今回の台本は、私的に今までにない書き方――文章の表現の仕方をしています。

『夜の時間は すすむもの 暗くなったら こんにちは 明日はきっと はれはれハレルヤ』
『昼の時間は もどるもの 明るくなったら さようなら 明日はきっと はれはれハレルヤ』

チラシにも記述されていますこの言葉の中に含まれた意味をどう見るのか、見ていただけるのか。演出と脚本の2つを合わせまして、非常にお客様の想像を掻き立てるお芝居になっています。

あと今回の舞台の演出もそうなんですけど、(へんはちょ皆の)社会人としてのパワフルさにも注目してほしいですね(笑)

――今回、公演される会場は特別だとお聞きしましたが?

磯谷:はい、今回公演する会場は劇場ではなく、プラネタリウムです。席は86席と広く、かなり迫力のある会場でして、過去に星空コンサートやスクリーンを使った紙芝居をするなど、表現に関して非常に理解のある場所になっています。
また、会場に行くまでの途中に大きな病院があり、公園や河もありまして、ご来場いただく前から今作の世界観に触れていただけると思います。もちろんお芝居を見ていただいた後の帰り道も、周りを見ていただけると尚のこと身近に感じてもらえると思います。

――プラネタリウムを会場にされるのは非常に珍しいと思うのですが、どのような経緯から選ばれたのですか?

磯谷:確かに珍しいと思います。それには理由がありまして、私が昔、天文学者になりたかったという夢があったのと、やはり劇場でない場所でやりたいという思いの2つがあったからですね。
前者の理由としては、好きなところからアイデアが出てくると思いまして、好きなことだから頑張れる、好きなことだから構想が浮かぶ。そういった意味でも私も星を見るのが好きですし、小さい頃はプラネタリウムに通っていたこともありました。なのでプラネタリウムという環境は、私にとっては馴染みやすく、頭の中の引出しでは割と近い場所にあったということですね。
後者としては、今回は演劇になるのですが、過去もこの先も、表現のとして展示、ダンスや絵、またはスポーツなどの形でお客様の心にとどくものであれば演劇に限らないと思っています。劇場だと演劇しか生まれないのかなという思いが少しありまして、お芝居が好きな不特定多数の方々はもちろん、様々な専門分野の特定多数の方々にも楽しんでいただけたらなぁと考え、劇場とは違った場所を探していました。
そこで繋がったのが、今回のプラネタリウムという場所になります。
――前回の公演と今回の公演の共通点や違い、皆さんの意気込みを聞かせていただけますか?

磯谷:そうですね、前回の公演や展示などで心掛けているのは専門技術性ですね。
実は前回ギャラリー&カフェ「FIND」という場所で、ある美術家さんと一緒にコラボさせていただきました。美術家さんのギャラリーがありまして、そこで芸大を目指す女の子の芝居をしたんですね。
もちろんセットは美術のギャラリーのまま使用させていただきましたし、使う画材も美術家さんが使っているものを使用させていただきました。
また、その後の展示も、先程お話しましたカフェで行いました。芝居に限らず、一人ひとりの可能性を限りなく広げられる場として、クリエイター同士や来場客の輪を広げ、新たな感動と人生を変えるような素敵な出会いが次々と生まれることを願っての企画ですね。
違いに関しましては、やっぱり2回目ということもあって(今回の公演は)純度が高いってことですよ。それは皆もそうですね。今回は私も意図も組んでくれていましす、やりやすいメンバーといいますか、こだわるところはこだわり、遊ぶところは遊んでくれて、いい形になっていると思います(笑)
あと練習時間に関しては皆が社会人なので、きゅっと集中して意義あるものにしています。歌、ダンス、その他にも色々と凝るところがありますので、そこの練習は楽しく面白くやっています。自分の新たな得意分野に開花していただけたらなと思っています。

――最後の質問です。へんはちょが目指しています場所、目標を教えてください。

磯谷:国会議事堂です(笑)
それは、専門技術に特化させたいという思いがありまして、私自身社会人ですし、メンバーも社会の中に仕事をもっているからこそ出来る表現があると。それは他にはない強みであると思っています。時間がないから芝居が出来ないというのは言い訳にしかならないので、仕事という自分の技術を活かせることが大事ですね。
一つ「社会」というキーワードを掲げています。例えば学校の行事であったり、入院患者のもとにお伺いして寝たきりの患者さんたちに笑顔を届けたりとか、模擬で裁判の判例の実演をやってみたり、行政の難しい仕組みを演劇で表現してみたりと、演劇で「社会」の歯車になりたいんですね。「社会」に必要とされる、「社会」の中でやってほしいと求められる団体として、アンダーグラウンドではなくてそういう分野に近い存在になりたいです。

最後に公演が5月26日(土)と6月3日(日)の2日間と一週間離れていますので、もしかしたら最後の結末が変わっているのかなぁっと。それで友だちと「どっちの日に行くました?」みたいに会話していただけるのも面白いかもしれませんね(笑)

――最後の最後に凄い意味深な情報ですね(笑

磯谷:ですね(笑)でも、本当によろしければ見比べてみてほしいですね。そしてお昼からの公演ということもありますので、見ていただいた後に皆さんで食事しながらお芝居の感想などで会話を弾ませてほしいですね。
皆様のご来場心からお待ちしております。

――本日はどうもありがとうございました。

磯谷:こちらこそ、どうもありがとうございました。


インタビュー/文
Scramble eGG entertainement



(劇)変ハ長調 第2回プラネタリウム公演
「光合成プラネタリウム」

作/演出:磯谷きみお
CAST:石井めぐみ/西山沙織
泉山枝里/桜井芙弓/諏訪康之/福田真澄/室井実香
小林里枝/小林ゆり/他

開演時間:5月26日(土) 14時30分~
6月 3日(日) 11時30分~  14時30分~
※開場は開演の15分前からとなっております。

会場:タイムドーム明石(中央区立郷土天文館)
地下鉄日比谷線 「築地駅」 (3番出口)徒歩4分
地下鉄有楽町線 「新富町駅」 (6番出口)徒歩7分

チケット料金:2,500円(前売当日共/全席自由)

-ご予約方法-
MAIL hen8cho@hotmail.co.jp

件名に「(劇)変ハ長調 光合成プラネタリウム予約」とご入力の上
①お名前(ふりがな)、②ご希望日時、③ご希望枚数、④ご連絡先
をご連絡ください。こちらからの返信を持って受付完了となります。
ご予約は前日の22時までとさせていただきます。
未就学児のご入場はご遠慮頂くことがございますのでご了承ください。

(劇)変ハ長調のブログサイトはこちら