演出家(SPD)・諏訪康之INTERVIEW



今回ScrambleeGG entertainment(以下、Sと略)は、今年の12月8日、9日と間近に公演を控えているSPDの演出家である諏訪康之(スワヤスユキ)さんにインタビューさせて頂くことを御了承いただいた。


S――この度はインタビューを受けていただき、ありがとうございます。

諏訪――こちらこそありがとうございます。

S――では、早速なのですが、SPDの意味についてお聞きしても宜しいでしょうか?

諏訪――シンプルな名前にしたいなというのが一つあって、この団体名になったのも実は最近なんですよ。
 出演者の方々にもどういう名前がいいのか相談したんですけど、劇団諏訪でいいじゃないのかとか本当にシンプルな答えが返ってきたりしましたね。僕も実際それでもいいかなと思ったりもしたんですが、自分の名前を表に大きく出すのは違うなという事から、少し変えて『SPD(SUWA Produce Dorama)』へとまとめました。本当は『drama』ではなく、『theater』にしようかと思ったんですが語呂の関係でこのように落ち着きました(笑)



S――今回公演されます作品のタイトルと内容を教えていただいても宜しいでしょうか?

諏訪――タイトルは『壁男(カベオトコ)』と言いまして、ファンタジーが入った世界のお話になっています。
 作中では壁男という商品が一般的に流通している世界観となっていまして、この壁男というのは見た目人間なんですが実質ロボットに近似した存在となっていまして、話しかけるとそれに対応した言葉を返してくれる機能を持っています。その壁男と人間の会話を通じて、コミュニケーションの難しさを表現しています。
 ちなみに場所は東池袋のアートスペースサンライズホールにて公演させていただくんですが、1ステージで50~60席がキャパになっております。ただ、舞台監督を務めていただきましたワークショップの講師でもある藤丸さんの話では、お客様のご来場数によっては70席でも80席でも広げていただけるようです(笑)

S――今回の作品のコンセプトなどございますでしょうか?

諏訪――コンセプトですか。少し話が前後してしまいますが、前回僕がプロデュースしました団体が『空間偽装実験室』という名前で、空間そのものを使ったお芝居をしようというコンセプトがありました。俗に言う劇場一体型のお芝居ですね。
 話は戻りますが、今回のお芝居ではコンセプトらしいコンセプトってなかったんですよ。ただ純粋にオーソドックスなお芝居を追求したいと思って、今回のお芝居には取り組んでおります。

S――今回の作品の見所は?

諏訪――今回のお話は結構伏線が多いんですよ。作中を通しての種明かしがありますので、一回だけでなく二回見ていただけると非常に有難いです(笑)
 また今回の脚本が僕ではなく、大学時代の後輩にあたる徳弘明子さんにお願いしていまして、彼女独自の言葉遊びが今回のもう一つの見所ですね。徳弘さんは、よく良い脚本を書いているんですけど、ファンタジーでありながら上手く人間関係や人の心の動きを抜き取った面白みのあるものに仕上げることが得意ですね。
 あと演出にも所々『笑い』を含ませていますので、決して終始飽きないものになっていると思います。


S――諏訪さんが演劇に触れた機会はいつからですか?

諏訪――大学からです。それまでも劇というものに興味はあったんですけど、中々触れる機会がなかったんですね。そのため、大学に入ってから選んだ部活がテニスとなってまして、交わる機会がない感じだったんですけど、当時演劇部に友人をもつテニス部の先輩がいまして、その先輩から「新歓公演があるからお前も観に行くか」と誘われてからですね。
 その公演が思ってた以上に良かったんです。エンターテイメントとして、これは非常にいいなとその公演を観て思ったし、第一印象として『笑って泣けるな』と心を揺さぶられました。
 それからは演劇部のスタッフとしてテニス部と兼部していたんですが、実際に役者としてお芝居に出たことで改めて演劇の面白さに気づかされて、演劇一本に絞ることにしました。その際にテニス部の先輩からは応援もしていただきまして、現在でも公演がある度に来てくれるので本当に有難いと思っています。

S――今後の活動についてお聞きしても宜しいでしょうか?

諏訪――来年も僕が主催でいくつかのお芝居を考えていますね。先にも話しましたように演出をする上でエンターテインメントというものを僕は大きく捉えていますので、『コメディー』としての笑えるという要素を忘れないようにしていこうと思っています。
 今回、公演させていただきます『壁男』はもちろんですが、今後の公演にも皆様のご来場をお待ちしております。


11月29日 某カラオケ店にてインタビュー



SPD 公演 「壁男」

演出主催:諏訪康之
脚本:徳弘明子
舞台監督:藤丸亮

開演時間:12月8日(土) 14時~ 19時~
       12月9日(日) 13時~ 17時~
※開場は開演よりも早くなっておりますので、お早めにお立ち寄り下さい。

会場:アートスペースサンライズホール
    東京都豊島区南池袋4‐19‐6 日ノ出ビルB1
    東京メトロ 東池袋駅から徒歩5分

チケット料金:2,500円(前売当日共/全席自由)